魚料理研究家・発酵食文化研究家
こんにちは、和食の料理教室を主宰しております是友麻希です。
一昔前は「 和食とオリーブオイル? 」なんて疑問を抱く方がほとんどでしたが、近年の食の多様化に伴ってオリーブオイルと和食のコラボレーションが認知されているように、様々なお料理に使われるほどのメジャーな食用油になりました。
しかし、実際に普段の家庭料理や和食にオリーブオイルを使ってみようと思うと、少し悩んでしまう方が多いのも事実です。
オリーブオイルと一言で言っても、様々な種類がありますね。
ドットオリーブで購入できるオイルは、どれも素晴らしい味と香りを持った他では手に入らない一級品ばかりですが、だからこそどのように使ったらよいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
今回は、私のお気に入りのこちらのオリーブオイルの特徴と、普段の和食料理へのアレンジ方法、レシピをご紹介させていただきます。
Regio - Fontana Madonna
こだわりのある人のための高品位なオリーブオイルで、非常に複雑な香りと味だとの説明がありました。
正直申し上げて、私は和食の人間なのでオリーブオイルのことはあまり詳しくありません。
ですが、こんなに和食に合うオリーブオイルに出会ったことがありません。
このレージョはオリーブオイル業界では上級者向けとされているかもしれませんが「オリーブオイルの使い方をあまりよく判らないけれど、良質なものを使いたい」と思っている方に向いているオリーブオイルなのではないかと私は思います。
和食の味は、世界の料理から比べるととても複雑です。
この和食の複雑な味わいは、醤油・味噌・みりんなど発酵調味料から生まれていますが、この複雑で繊細は味わいを消さずに活かすオイルは何なのか?
実はほとんど存在しません。
だからこそ、サラダ油という一見健康に良さそうで実は非常に有害な食用油が 使われてしまうという事態が起きるのですが、このレージョこそ食にこだわりのある方に、普段の家庭料理でのオイルとして使用していただきたいと思います。
たとえば、ごま油。
ごま油を一滴垂らしただけで、どんな料理も中華料理っぽくなってしまいませんか?
それは良いことでもありますが、言い方を変えれば元の味をすべて消してしまうということです。
ごまかしてしまうということです。
このオイルは元の味を活かしつつ、複雑な味わいを出してくれる、まさに食全般にこだわりのある方向けのオリーブオイルだと思います。
どんな和食にもお使いください。
肉じゃが、キンピラごぼう、炊き込みご飯に少量入れてチャーハン風に。
レージョが活きる和のレシピ
ご家庭でも簡単に作ることのできる酢味噌和え。 食材はホタルイカでなくても構いません。 ボイルしたエビ・イカ・タコなどと茹でた青菜を酢味噌で和えるだけで、とっても上品な一品に仕上がります。
ですが、青菜と魚介類を酢味噌で和えたときに、どうも味が絡ないと思ったことはありませんか? そんな時に、つなぎの役割をしてくれるのが、このレージョです。
和食本来の味を邪魔することなく、むしろ全体の味をまろやかに、そして上品に仕上げてくれます。
普段のお料理にほんの少し、このレージョをかけて、ワンランクアップしたお料理にしてみませんか?
材料 4 人前
ホタルイカ(ボイル) … 8 杯
菜の花 … 8 本程度
酢味噌
白味噌 … 大さじ 1
砂糖 … 小さじ 1
お酢 … 大さじ 1
レージョ … 大さじ 1
作り方
1.
菜の花はさっと塩茹でし、3センチ程度の長さに切る。
2.
全ての材料をざっくり和える
Priore - Oscar
さらりと軽くてリンゴの香りのするとても調和のとれたオイルで、後味に若干辛みがあります。
まったりと舌にまとわりつく甘味が、なんとも言えず、素材の味を活かしたいお料理に向いています。
たとえば、冷奴にプリオーレと塩をかけて食べると豆腐の味が引き立ち、大豆の甘さをこのオイルが最後まで舌にまとまりつかせ、素材の味を最後まで堪能することができます。
または大根おろしにこのオイルとお醤油をかけてみてはいかがでしょうか?
大根の甘さと辛み、オイルの甘さと辛みが絶妙にマッチします。
素材の味を邪魔しない、万能に使えてしまうオリーブオイルです。
プリオーレの詳細ページを読むOlio al Limone - Paola Orsini
レモンオイルというものを何度もテイスティングしたことがありますが、ほとんどの場合レモンがきつすぎて和食の味を殺してしまいます。
それであればオリーブオイルをかけた後にレモン果汁をかけるのと何が違うのだろうか…と思ってしまうほどです。
しかし、このオイルを試食して明らかな違いを知りました。
わたしが今まで試してきたレモンオイルは後からレモンのフレーバーを添加していたものだったということに。
このオイルは農薬や化学肥料を一切使わずに育てられたレモンとオリーブを一緒に絞り込んで圧搾したものだそうです。
それゆえレモンの皮のほろ苦さも感じますが、花のような甘さも感じます。
ほのかなレモンの香りが和食を爽やかにしてくれます。
たとえば、意外かもしれませんが冷たいお味噌汁に。
夏は暑いお味噌汁を飲む気がしなくなる方もいらっしゃるかと思うのですが、冷たく冷やしたお味噌汁にオーリオ・アル・リモーネを数滴たらして召し上がってみてはいかがでしょうか。
冷たさのなかにレモンの爽やかな香りがたって夏バテ防止にも最適です。
お味噌汁だけでなく和風サラダや冷奴はもちろん、おひたしにも合うレモン・オリーブオイルです。
オリーオ・アル・リモーネが活きる和のカクテル
近年、美容や健康によいと話題の「甘酒」。
米麹から作った甘酒は麹菌によるビタミンやアミノ酸など栄養価がとても高い日本古来からのパワー飲料です。
手作りすることもできますが、最近ではスーパーなどでも購入ができるようになりました。
そのまま飲んでも甘くておいしい甘酒ですが、このレモンオイルを垂らすと、びっくり!!!
さらに上質な美容ドリンクなります。
お好みのフルーツと共に、朝食としていかがでしょうか?
材料 4 人前
甘酒 … 1 カップ
カットフルーツ … 適量
オリーオ・アル・リモーネ … 大さじ 1
作り方
1.
フルーツは小さくカットし、甘酒とよく混ぜる
2.
仕上げにレモンオイルをかける
是友 麻希
一般社団法人「日本発酵文化協会」の発起人であり、同協会の代表講師。
和食料理教室「Ristorante 我が家」代表。
国内外からの来客の多い家庭で育ち、幼少より料理に慣れ親しむ。
その後、聖心女子大学に進学。
日本史学部にて「日本の食文化」研究に勤しむ。
大学を卒業したのち「銀座すしもと」にて日本料理と魚料理の基礎を学んだ。
発酵マイスター および 発酵プロフェッショナルの日本第一号。
調理師、味噌ソムリエ、野菜ソムリエ、そして文部科学省が認定する健康食育アドバイザーでもある。
和食専門料理教室「Ristorante 我が家」を主宰。
予約の取れない料理教室として多数メディアに出演。
その傍ら、日本各地の郷土料理や魚料理を食べ歩き発酵食品と出会う。
「 今日の発酵食ごはん 」(ワニブックス)
「 しっかり食べても美しくやせるハリー式ダイエット・レシピ 」(PHP研究所)
「 酵素いきいき生甘酒 」(主婦の友社)
是友麻希 公式Webサイト 「 Ristrante 我が家 」
是友麻希 公式ブログ 「 No Fish No Life 」